大切な方がまた亡くなった。
時には厳しい言葉もかけられたけど
いつもそっと静かに見守ってくれる人で、
誕生日や、どこかに旅行にいったときや、結婚記念日や、文庫本を初めて出版したときも
私がいない間にふらっと家にきて
そっと玄関先に、お祝いの花やお土産を置いていくような人でした。
次の本はいつ発売なの?
それが最後のやりとりだったなんて。
きっと体調は思わしくなかっただろうに。
そんなことより、自分の体でしょうが。
彼女は私の次の本を読めないことを
たぶん知っていたと思う。
どんな気持ちで聞いてくれたのかと思ったら
もう悲しくて仕方ない。
突然すぎて受け止められず
告別式でご家族と一緒に大泣きして
疲れきって、でもおなかがすいた。
こんなときに浅ましいなぁと
自分が憎たらしくて恥ずかしかったけど
これが生きてるということなのかと
妙に実感した。
あなたはきっと
「私の終わりはこれでいいんです」
と澄まして言いそうだけど、もう一度会いたかったな。
でも今まで頂いた言葉を忘れず
いつも思って過ごしていきます。
本当にありがとうございました。