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Slowly but Surely

好きなもの、そして夢についてのPage

悪を呼ぶのは誰か

 

 

とっても考えさせられる映画でした。

 

ジャケットから

オーメンを想像していたけど、違うんですよ。不気味な映画だけど、悪魔とか悪霊は一切出てこない。

 

サブタイに

「悪を呼ぶ少年」とあるけれど、

本当の悪は彼なのか? それとも彼を理解できなかった大人たちなのか?

見終わった後、考えずにはいられない。

 

以下内容。ネタばれ含みます。

 

ジョシュアは9歳にして、大人のような落ち着きを持つ、ピアノが上手な賢い少年です。

優しい父と母、そして妹が生まれたばかり。

両親は妹に夢中、彼は満たされない気持ちを抱いている。

 

最初は妹への嫉妬から邪悪な行動をとるのかと思った。でも違った。

 

彼が欲しいのは「自分にふさわしい場所」。

そのために邪魔なもの、不要なものを、静かに確実に追い込んでいく。。

そう、両親さえも…

 

でも、私はなぜかジョシュアを邪悪だとは思えなかった。

彼が壊れた心を持ってしまったのは

育った環境のせいもあると思うから。

 

「赤ちゃんの時、あなたはいいこだったわよ」

と母はいうけれど、どこかぎこちない。

それもそのはず。

ジョシュアの赤ん坊の頃のビデオには、育児ノイローゼで取り乱す母の姿ばかり映っている。

だから、おそらくずっと彼女は息子と正面から向き合ってはこなかった。

 

そして、父は気にかけてくれている素ぶりは見せるけれど、

不安定な妻と忙しい仕事で手一杯。

 

必要な愛情が注がれないまま、成長してしまった聡明なジョシュア。

やがて妹の夜泣きがひどくなり、また母はノイローゼに。

 

そんな中、父は妹を泣かせるジョシュアが映ったビデオを見つける。

 

父は娘をジョシュアから守ろうとしますが、

子供であることを利用したジョシュアの巧みな罠にはまり、虐待を疑われて逮捕されてしまう。

 

そして彼は望み通り、

唯一の理解者と思っている叔父に引き取られます。妹と一緒に。

 

「僕の宝物だよ」

 

妹のことをジョシュアはそう呼ぶ。

 

もしかしたら、見限っていた両親から

彼は妹を守ろうとしたのかもしれません。

自分のように、いずれ愛されなくなる前に、と。。

 

その方法は冷酷だったけど、

実は彼は極度のストレス状態にあったのではないだろうか。

 

暴力はなかったけど、両親から構われないことは、精神的な虐待だったのかもしれない。

 

彼をこんな悪魔にしたのは、

周りの大人たち。

 

見終わって、なんだか複雑な気持ちになった。

 

グロめのホラーかと思っていたら、

なんとも重い作品でしたね。。

 

育児中で迷いや悩みを抱えている方には視聴は

オススメできません。。

「らしく」振舞っている自分を

見透かされている…そんな気持ちになるかも。