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Slowly but Surely

好きなもの、そして夢についてのPage

渋カッコいい! 感動映画

 

グラン・トリノ (字幕版)
 

『グラントリノ

(2009年、監督:クリント・イーストウッド


朝鮮戦争で心の傷を負った主人公は、フォードの自動車工を勤め上げ、隠居生活を送っていた。
理解者だった妻に先立たれ、偏屈な性格が災いして息子たち家族ともぎくしゃく。教会も避け、さらに隣人のモン族一家の騒がしさに辟易する毎日。唯一の誇りは愛車のグラン・トリノ。ある日そのモン族一家を同族のギャングから助けたことにより、娘のスーや息子のタオと心を通わせていくが、身体を蝕む病が進行し、さらによかれと思ってギャングをこらしめたことが仇となりスーとタオがひどい目にあわされてしまう。大事な友人たちを助けるため、彼が最後にとった行動とは……。

 

俳優としても監督としても今や高名なイーストウッド氏の監督&主演作。
イーストウッド監督作は好きです。ダーティ・ハリーのようなアウトロータイプの俳優という印象が強かったので、独自の哀愁や物悲しさ、やるせなさ、繊細で優しい作風は意外で、それがとても好ましく印象的な作品が多いですが、中でもこちらはかなりの名作だと思いました。

 

短気でどちらかというと暴力的な解決方法(銃とか)を好む主人公が、最期にとった勇気ある行動。
彼は友人たちを傷つけたギャングを、力を使わず牢獄へ送りました。
その方法は胸がぎゅっと痛くなるほどとても悲しく切ないものでした。


けれど彼の愛車であるグラントリノを譲り受けたタオが車を走らせるラストシーンに、彼の愛情が感じられて、これはこれでハッピーエンドなのだと思えます。


このグラントリノがかっこいい!


年をとると人間て不器用になって、頑固になって、まわりを傷つけ、自分も傷つけることが増えていく。
そんな中、ひょんなことで知り合った他者と関わるうちに少しずつ心のこわばりが解けていき、でもやっぱり不器用さは変わらなくて。。。
そんな老い先短い男の今更ながらの成長がしっかりと描かれています。
渋い!かっこいい!いい映画です。