ある方が私の本『社内保育士はじめました』を読んでくださって
「幸せって言うのは、大事な人とほんとに半分こずつ分け合って持ってるものなんだね。失ってから気づいたよ」
と言っていた。
泣きそうになった。
最終巻の副題は『ぜんぶとはんぶん』だった。
「幸せ」は誰かとわけあってこそ、まるごとの「幸せ」になるのだと、その思いをこめてつけたけど、それが叶わなくなってしまう現実を私はまだ突きつけられたことはない。
何より大切な人を失う。
今は知らないだけで、それはいつか誰にでもくること。平等に。
その時私は、あの人のように
水面の波紋がすべて消えて完全な凪が訪れる瞬間をじっと待つように、
明けない夜の中で待ち望む光を探して彷徨うように、
残酷に流れる時を、静かに前を向いて受け入れていくことはできるだろうか。
と考えた。
……わからないね。
わからないけど、毎日当たり前にある日常こそ何よりかけがえのないものだと言ってうことを、絶対に忘れないようにしようと思います。