ツギクルバナー

Slowly but Surely

好きなもの、そして夢についてのPage

不思議系 サスペンスホラー映画

 

 

フェノミナ

(1985年、イタリア、監督:ダリオ・アルジェント


簡単にあらすじを書くと、スイスの全寮制の学園に転入したヒロインが昆虫学者と出会い、虫と 交信できる超能力を使って連続少女殺人事件の謎を追うイタリアンホラー。


サスペリア」がリメイクされたとネットで知って、アルジェント監督を調べていて行き着いた。観たのは少し前ですが、色んな意味で記憶に残る一作でした。


リマスター版、映像、すっごくきれいでした。スイスの山並みや白い花の咲く野原……
なにより主演のジェニファー・コネリーの美しいことと言ったら!(当時14歳、マジか!)
その美しさと、残虐な殺人(首チョン)、死体にわくウジ虫(イタリアホラーで虫というとこれだそうな)、突然かかるメタル音楽、などのアンバランスさが絶妙な、一言でいうと「不思議なホラー映画」でした。
その奇抜さに引き込まれた、でもかなり突っ込みどころも満載でした。
そこをご紹介します。


※この先ネタバレ注意!


①ガイガー警部
彼の扱いが雑すぎる。
連続殺人事件の捜査をしている警部。冒頭で「必ず探しだす」的な発言があったわりに中盤出て来ず。主人公が虫の力を借りて犯人の家を特定した直後についでのように彼も現れる(いつ特定したなどの説明なし)。主人公と協力して捜査になればおもしろかったのに、絡みもなく、最後は犯人に捕まって、主人公を助けようとしたけど怖がられ(面識ないから)結局殺されるという……すっごくもったいない人。


②活躍しすぎるチンパンジー・インガ
主人公のよき理解者になってくれる昆虫学者のヘルパーはなんとチンパンジー

博士が大好きでおりこうで、これがすっごくかわいいのだ。

ところが犯人に博士が殺されてしまい、助けられなかったインガは、公園のごみ箱でカミソリ(床屋が使いそうな鋭利なやつ。絶対落ちてないから)を拾い、敵討ちに向かう……! もうこの時点で私の心はすべてインガのものに。そしてラスト、襲われた主人公をカミソリで危機から救ったインガ!! か、敵とったーーー!めっちゃ感動した。泣いたわ。でも活躍しすぎだから。

 

③犯人の動機がわからない
犯人は主人公がスイスに来たときの付添人の女性の息子。奇形児(顔がつぶれてる)で少女殺害に異常な執着があるらしい? 母親はそれを隠そうと、警部を殺害。見た目は子供で、高枝切りばさみみたいな槍?を武器に殺す。でもなぜそうなったのか、どうして殺すのかなど謎が最後まで明らかにならず不完全燃焼。とってつけたような犯人感が否めない。


④かわいそうなモリス
ジェニファーの父は人気俳優で、モリスは代理人。主人公の入った寄宿学校を選びお金の管理もしてくれています。主人公のSOSにスイスまで来たモリス。危険を察知し、ちゃんと銃も持ってきた! のに、
車から降りて数秒後、犯人の母に首をちょん切られ死亡…。出番ここだけ。銃はなんだった!
不憫でならない、雑な扱いPart2。


結論。
「ちょっといいですか」と言いたくなる箇所は多々ありましたが、
このB級感がいい味出してるし、冒頭からワクワクする展開が期待できたので私の中では高評価です。


お金稼ぎのハリウッド映画より全然エンタメ性があるし、さすが「美しいホラー」といわれるだけの印象深さ(あのメタルとか)がありました。


ラスト、生還したジェニファーが湖の中からゆらりと現れるシーンは凄絶な美しさでした!
高度なCGがない時代でごまかしがきかない中、シーンやカメラワークが引き立っておりこだわりも感じました。


昔の映画は本当に手がこんでいて素晴らしい。
ネタバレ後でもよければぜひご視聴をお勧めします。
何よりあのスーパーチンパンジー、インガを見てほしいw